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Freelance Visual Designer, Nana Murata.

デザイナーとしての個性の話


私は、カメレオンデザイナーだと思う。

というか、

基本デザイナーとはカメレオンだ。

と私は思う。

デザイナーはアーティストではないので

お客さんの世界観を表現するのに

自分の色を自由自在に変えるカメレオンになる。

でもそれにより、自分のカラーがないことに悩むことがあった。

(これって頼まれ仕事してるクリエイターあるあるじゃないかな、

 分野違うけど周りでも何人かとこういう話になるし、

 その都度わかるーーー!って結構なる)

でも、デザイナーの佐藤卓さんが何かの記事かインタビューで言ってた。

「デザイナーが個性を出そうとするな。

 個性なんて、勝手に滲み出る。

 仕事を続けていれば、意識しなくても必ずその人らしさが滲み出る。

 滲み出たものが個性だ」

かなり前だからうろ覚えだけどこんな雰囲気のこと。

たしかにそれってちょっとわかるなと思って。

私は超おしゃれな洗練されたデザインをすることが苦手です。

超おしゃれな洗練されたデザインをしたいし、時に目指そうとはするんだけれど、

私が作るものは、多少おしゃれさがある場合もあっても

どっちかというと、ちょっと泥臭さも滲み出る感じ。

それがコンプレックスだった。うまくないなぁって。

でも最近、悪いことでもないのかなとも思えてきた。

それも1つの「味」的な親しみやすさかなと。

おしゃれすぎると とっつきにくいっていう場合もあると思うんだ。

みんなが青山・表参道に生息してるわけじゃなし、

おしゃれで洗練されたものも好きだけれど、

ピシッ!パキッ!クール!って いつもそればっかりだと息も詰まる(人もいる。私とか)。

親しみやすさがちょっと滲んだ方が、

みんなに長く、近い距離で好きでいてもらえるかもしれないなぁ。

それが勝手に滲み出ている私の個性の1つかなぁ。なんて。

どうして私のデザインがそういう感じなのか、ルーツを考えてみると

きっとデザイナーとして就職した先が、テレビ業界だったからだと思う。

テレビってたくさんの人をターゲットに作られているから、

あんまりダサくてもあれだけれど、カッコつけすぎても老若男女考えるときっと受け入れられ辛い。

(時にめちゃめちゃ洗練された素敵な番組もあるけどね)

(私は「オデッサの階段」の表現がなんか尖っててカッコよくて好きでした)

そんな、「できるだけ多くの人に届けよう」「わかりやすく作ろう」というものづくりの環境の中で、

なんとなく、親しみやすさが滲み出るベースが私の中に作られたんじゃないかな。

それがデザイナーとして9年目、きっと「味」となって現れ出している。

だんだんそんな風に思えてきたけれど、

もちろん今でも「カラーないわー」「自分自身の世界観ってなんだろう」とか悩むこともある。

でも、それでもこれまで自分が経験したりインプットしたりしたものが

じわじわ「味」となって滲み出てくれるのを信じて

変わらずその都度デザイナーとしてカメレオンになりながら丁寧に制作していくことだよね。

積み重ねてきたものが、きっと「個性」を創っていくんだ。

NANA MURATA

Freelance Visual Designer / Illustrator

効果的に魅せることの出来る「見た目」を作る仕事をしています。

肩書きや分野の枠にとらわれず世界観をデザインする仕事がしていきたいです。

モノやコトや空間の物語を視覚化するような。

 

【好きなもの】

 靴 / 本と本屋と本を買うこと / 

 映画と映画館 /ロボット/チョコレート/赤

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