【杉本博司 ロスト・ヒューマン】のお話
【杉本博司 ロスト・ヒューマン】東京都写真美術館
<今日 世界は死んだ もしかすると昨日かもしれない>
会期終わり際に駆け込み。
杉本博司さん好きで、写真を見るつもりで行ったけれど、言葉がずっしりきた。 インスタレーションの企画で、文明が終わる33のシナリオ
(様々な目線から創作された、遺書のような肉筆の手紙)
が歴史的な資料や古美術品、昔のものと一緒に展示されている。 いろんな世界の終わりがそこにはありました。 今の人間の文明や現状への警鐘で、ちょっと恐ろしい。 私みたいな能天気なタイプだと、 「もっと希望をもっていきたいです…」と思ったりもするんだけれど 今回の展示のような思想や表現があるからこそ、 「希望をもてる未来にしたい、そのためにどうするか」 ってことに思いを寄せることができるんだな、と思ったり。
<世界保健機関事務局長>のシナリオの中の一文 「人は自分のために生きるのではなく、誰かのために生きたかったのだ」 っていう言葉がずっと心に残ってる。
もうひとつの企画<廃墟劇場>は、<劇場>シリーズの廃墟版。 劇場を、映画一本分の光で写し出す。 趣あって、ロマンあって、物語あって、とっても好きな作品。 なにより美しい。 このシリーズの写真集はいつか買おう。
東京都写真美術館
【杉本博司 ロスト・ヒューマン】
https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-2565.html